
リフォーム会社のWebマーケティングは何から始める?優先順位のつけ方と失敗パターン

ホームページはあるけれど、ほとんど問い合わせが来ない
Instagramを始めたものの、何を投稿すればいいのかわからない
SEOやGoogle広告も気になるが、何から手をつければいいのかわからない
地域密着型のリフォーム会社では、このような悩みを抱えているケースが少なくありません。
特に従業員数が数名〜数十名ほどの会社では、専任のWeb担当者を置くことが難しく、社長や営業担当者が本業の合間にホームページやSNSを更新していることも多いのではないでしょうか。
ただ、地域のリフォーム会社のホームページをいくつも見ていくと、共通する特徴が見えてきます。
それは「施策が足りない」のではなく、施策同士がつながっていないということです。
ホームページはある。Instagramもある。Googleマップにも登録している。それぞれは存在しているのに、お客様が「知る」から「相談する」まで進む道筋になっていないのです。
リフォーム会社のWebマーケティングは、決して複雑なことから始める必要はありません。
大切なのは、SEO、SNS、広告などをバラバラに考えるのではなく、「見つけてもらう → 信頼してもらう → 問い合わせてもらう」という流れを整えることです。
この記事では、Web担当者がいない地域密着型のリフォーム会社を例に、王道となるWebマーケティングの進め方を解説します。あわせて、優先順位をどう判断すればよいのか、そして実際によく起きてしまう失敗パターンについても整理していきます。
目次
今回、想定するリフォーム会社
遠藤わかりやすくするため、次のような会社を想定してみましょう。
- 埼玉県内で地域密着型のリフォーム事業を展開
- 従業員12名
- 年商約2億円
- 商圏は会社から車で30〜45分程度
- 戸建て住宅の水回り、内装、外壁などが中心
- 新規顧客は紹介やOB客が多い
- ホームページは5年ほど前に制作
- Instagramは不定期更新
- Googleマップは登録しているだけ
- 専任のWeb担当者はいない
会社として一定の実績はあります。一方で社長は、「紹介だけに頼るのは将来的に不安なので、Webからの問い合わせを増やしたい」と考えています。
このような会社は、どこから手をつければよいのでしょうか。
お客様は何を不安に思い、何を基準に会社を選んでいるのか
施策の話に入る前に、少しだけ客観的なデータを調べました。ここを押さえておくと、このあとの施策が「なんとなく良さそうだから」ではなく「根拠があるから」やるものに変わります。
リフォーム市場は拡大しているが、中身が変わっている
株式会社矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2026年)」(2026年7月16日発表)によると、2025年の住宅リフォーム市場規模は前年比2.5%増の7兆5,119億円。2026年は前年比1.9%増の7.7兆円と予測されています。市場そのものは伸びています。
ただ、注目したいのはその中身です。分野別に見ると、増改築に関わる費用が前年比22.1%減。一方で、設備修繕・維持関連費用は4.7%増、家具・インテリア費用は2.5%増となっています。
つまり、大規模な増改築は大きく減り、設備の修繕や更新が伸びているという構図です。
背景には、団塊ジュニア世代の持ち家がリフォームの適齢期を迎えていることや、窓の断熱改修などを対象にした国の補助事業があるとされています。
これは地域のリフォーム会社にとって、無視できない変化です。
お客様の入口が「家全体を直したい」から「お風呂を替えたい」「窓の結露をなんとかしたい」といった部位単位の相談へ移っているということだからです。検索されるキーワードも、当然その形に寄っていきます。
なお同じ調査では、2026年に入って資材や住宅設備機器の納期遅延が起きており、調達力のある大手が需要を囲い込む一方、小規模事業者は工期の遅れから資金繰りが厳しくなるという二極化の懸念にも触れられています。
規模で戦えない会社ほど、別の土俵を持っておきたいところです。
お客様が抱えている不安は「お金」と「工事後」に集中している
次に、お客様側の意識を見てみます。一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査報告書」(2026年2月発行)には、興味深い結果があります。
リフォームを検討している人が不安に感じていることは、次のような順番です。
- 費用がかかる:40.3%
- リフォーム工事後の不具合への対応(アフターケア):29.7%
- 施工が適正に行われるか:29.5%
- 見積もりの相場や適正価格がわからない:27.6%
1位は費用、4位も費用に関することです。
さらに同じ調査では、実際にリフォームした人の検討時予算は平均310.4万円、実際にかかった費用は平均405.4万円という結果が出ています。約3割の人が「予算を上回った」と回答しています。
ここで面白いのが、予算を上回った理由です。最も多いのが「設備を当初よりグレードアップしたから」で47.4%、次いで「予定よりリフォーム箇所が増えたから」が41.9%。
つまり、業者に押し売りされたというより、お客様自身が選んだ結果として予算が膨らんでいるケースが多いのです。
そして2位に入っている「工事後の不具合への対応」も見逃せません。工事が終わったあとどうしてくれるのか。ここを心配している人が約3割いるということです。
選ばれる決め手は、価格でも技術でもなかった
そしてもうひとつ、見逃せない数字があります。実際にリフォームを行った人が、事業者を選ぶときに重視した点です。
- 担当者の対応・人柄:44.0%
- 工事の質・技術:36.2%
- 工事価格の透明さ・明朗さ:30.1%
1位は「担当者の対応・人柄」です。
工事の質でも、価格でもありません。誰が対応してくれるのかが、最も重視されているのです。
さらに、この調査には地域密着型の会社にとって決定的な数字があります。契約した事業者の規模別に見ると、「担当者の対応・人柄」を重視した人の割合は、
- 地元密着の企業と契約した人:47.7%
- 全国規模の企業と契約した人:39.0%
地元の会社を選んだ人ほど、「人」で選んでいるのです。
同じく地元密着の企業と契約した人では、「工事価格の透明さ・明朗さ」が32.9%、「地元の業者であること」が23.8%と、全国規模の企業を選んだ人(それぞれ26.4%、2.5%)を大きく上回っています。
考えてみれば納得できます。リフォームは自宅に他人が入る工事です。数週間から数か月にわたって、担当者や職人とやりとりが続きます。「この人になら任せられそうか」が判断基準になるのは、むしろ自然なことでしょう。
この数字から導かれること
ここまでを整理すると、リフォーム会社のホームページに必要なものが見えてきます。
- 費用の目安がわかること(不安の1位と4位に対応)
- 工事後の対応が書いてあること(不安の2位に対応)
- どんな人が対応するのかがわかること(選定理由の1位に対応)
意外なほどシンプルです。そして正直なところ、この3つがきちんと載っているリフォーム会社のホームページは、そう多くありません。
逆に言えば、ここを整えるだけでも差がつきやすい領域だということです。このあと紹介する施策は、すべてこの3点に紐づいています。
お客様がリフォーム会社を選ぶまでの流れ
Webマーケティングというと、
- SEOをやらなければ
- Instagramを更新しよう
- Google広告を出そう
と、施策から考えてしまいがちです。しかし、その前に考えたいのがお客様の行動です。
たとえば自宅のお風呂が古くなり、リフォームを検討し始めた人を想像してみてください。
多くの場合、次のような流れで会社を探します。
リフォームしたいと考える
↓
GoogleやGoogleマップで検索する
↓
いくつかの会社を見る
↓
施工事例を見る
↓
口コミを見る
↓
会社やスタッフの雰囲気を見る
↓
問い合わせる
↓
現地調査・見積もり
↓
比較検討
↓
契約
この流れの中に、先ほどの数字がそのまま埋め込まれていることに気づきます。
「施工事例を見る」のは費用感を知りたいから。「口コミを見る」「スタッフの雰囲気を見る」のは、どんな人が来るのかを知りたいからです。
つまり、Webマーケティングで必要なのは、お客様がこの流れをスムーズに進める環境をつくることです。
言い換えると、
見つけてもらう
↓
安心してもらう
↓
相談してもらう
という3つの段階を整えることが基本になります。
ここからは、その具体的な施策を7つに分けて見ていきます。
王道の施策1:Googleビジネスプロフィールを整える
地域密着型のリフォーム会社が最初に取り組みたいのが、Googleビジネスプロフィールです。
ユーザーは、
といったように、地域名を含めて検索することがあります。その際、検索結果の上部にGoogleマップと複数の会社が表示されます。
ここで会社の情報が不足していたり、写真がほとんどなかったり、口コミが少なかったりすると、比較対象から外れてしまう可能性があります。
最低限、次の内容は整えておきたいところです。
- 会社情報(住所・電話番号・ホームページURL)
- 営業時間
- 対応エリア
- サービス内容
- 外観や事務所の写真
- スタッフの写真
- 施工写真
- お客様からの口コミ
- 口コミへの返信
口コミは「お願いする仕組み」を作る
特に重要なのが、実際のお客様からの口コミです。
リフォームは決して安い買い物ではありません。知らない会社へいきなり問い合わせるのは、心理的なハードルがあります。実際に依頼した人の評価を見ることで、その不安を下げることができます。
ただ、口コミは「集めよう」と思うだけでは増えません。
現実的なのは、依頼するタイミングを決めてしまうことです。たとえば、
- 工事完了の引き渡し時に、担当者から一言お願いする
- お礼状やアフター案内にQRコードを載せる
- 依頼する担当者と、依頼するタイミングを社内ルールにする
このように、個人の頑張りではなく仕組みにしておくと続きます。
もうひとつコツがあります。口コミをお願いするときに「担当した者の名前も書いていただけると励みになります」と添えることです。
先ほどの調査で、選定理由の1位が「担当者の対応・人柄」でした。担当者名の入った口コミは、それを見た次のお客様にとって、そのまま安心材料になります。
なお、口コミは投稿されたら終わりではありません。返信の内容も見られています。とくに厳しい評価がついたときの対応はよく読まれるところです。感情的にならず事実を丁寧に説明している会社は、それだけで印象が変わります。完璧を装う必要はなく、誠実に対応している様子が伝わることのほうが大切です。
王道の施策2:ホームページのサービスページを整理する
ホームページでよく見かけるのが、「住宅リフォームなら何でもお任せください」というページです。
会社としては幅広く対応できることを伝えているつもりでも、お客様からすると、自分が相談したい内容に本当に詳しいのかわかりません。
- キッチンリフォーム
- 浴室リフォーム
- トイレリフォーム
- 洗面所リフォーム
- 内装リフォーム
- 外壁塗装
- 屋根工事
- フルリフォーム
など、サービスごとにページを分けるとわかりやすくなります。
さらに、
- どのような悩みに対応できるのか
- どのくらいの費用がかかるのか
- 工事期間はどのくらいか
- どのような流れで進むのか
といった情報まで掲載すると、問い合わせ前の不安を減らせます。
「費用を載せると安い会社と比べられる」は本当か
費用の掲載については、抵抗を感じる会社も多いところです。「工事内容によって変わるから書けない」「金額を出すと、安い会社と比較されてしまう」という声は、よくわかります。
ただ、思い出していただきたいのが先ほどの数字です。検討者の不安の1位が「費用がかかる」、4位が「見積もりの相場や適正価格がわからない」でした。
そして選定理由の3位には「工事価格の透明さ・明朗さ」が入っています。つまりお客様は、安さではなくわかりやすさを求めているとも読めます。
金額を1円単位で確定させる必要はありません。次のような書き方でも十分です。
- 「浴室リフォーム:80万円〜150万円(ユニットバス交換の場合)」のように幅で示す
- 実際の施工事例に、かかった費用を添える
- 「この価格帯だと、どこまでできるのか」を説明する
- 追加費用が発生しやすいケースを、あらかじめ正直に書く
むしろ最後の項目は効果的です。「解体してみないとわからない部分があり、その場合は事前にご相談します」と書いてあるだけで、誠実な印象になります。
意外と抜けているのが「工事後」の話
もうひとつ、多くのホームページで抜けているのがアフターサービスの説明です。
検討者の不安の2位が「リフォーム工事後の不具合への対応」でした。約3割の人が、工事が終わったあとのことを心配しているわけです。
- 保証期間はどのくらいか
- 不具合が出たときの連絡先と対応の流れ
- 定期点検を行っているか
- リフォーム瑕疵保険に加入しているか
このあたりを1ページにまとめておくだけで、他社と比べたときの安心材料になります。実際にやっていることを書くだけなので、手間の割に効果が大きい部分です。
ホームページは単なる会社案内ではありません。お客様が「この会社に相談しても大丈夫そうだ」と判断するための営業ツールとして考えることが重要です。
王道の施策3:施工事例を「資産」として増やす
リフォーム会社のWebマーケティングで、特に重要なのが施工事例です。
お客様が知りたいのは、「この会社に頼むと、自分の家がどう変わるのか」ということです。
そのため施工事例は、完成後の写真だけではなく、できるだけ具体的に掲載します。
施工事例に入れたい項目
たとえば、「さいたま市|築25年の戸建てキッチンリフォーム」という施工事例なら、次のような構成が考えられます。
- リフォーム前の状態
- お客様の悩み・きっかけ
- 提案内容と、そう提案した理由
- 使用した設備・メーカー
- 工事期間
- 費用
- 施工中の様子
- 完成写真
- 担当者コメント
- お客様の声
ここまで情報があると、これからリフォームを検討している人が自分の状況と重ね合わせやすくなります。
特に「お客様の悩み」と「なぜその提案をしたのか」は、意外と省略されがちですが重要な部分です。ここを書くことで、単なる工事の記録ではなく、提案力が伝わるコンテンツになります。
1つの現場から、いくつものコンテンツが生まれる
また施工事例は、検索エンジンからの流入にもつながります。「地域名+リフォーム内容」というページが自然に増えていくためです。
さらに施工事例はSNSやGoogleビジネスプロフィールにも転用できます。
つまり1つの施工事例を作れば、
ホームページ
→ Google検索
→ Googleマップ
→ Instagram
→ Facebook
と複数の場所で活用できます。Web担当者がいない会社ほど、コンテンツを使い回せる仕組みを作ることが重要です。
そのために現実的なのは、現場での撮影をルール化してしまうことです。
- 着工前に必ず全体写真を撮る
- 解体時・施工中も1〜2枚は撮る
- 完成時は、着工前と同じ角度から撮る
- お客様の許可取りは契約時にまとめて済ませておく
これだけ決めておけば、あとから「Before写真がない」という事態を防げます。地味ですが、ここが一番の詰まりどころです。
王道の施策4:会社ではなく「人」を見せる
ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。
繰り返しになりますが、リフォーム事業者を選ぶときに最も重視されているのは「担当者の対応・人柄」で、その割合は44.0%でした。工事の質・技術(36.2%)や価格の透明さ(30.1%)を上回っています。そして地元密着の会社を選んだ人に限れば、この割合は47.7%まで上がります。
にもかかわらず、多くのリフォーム会社のホームページでは、スタッフ紹介が「会社概要」の下のほうにひっそり置かれていたり、そもそも存在しなかったりします。
これは「お客様が一番知りたい情報が、一番見つけにくい場所にある」という状態です。
ユーザーは無意識に
- どんな人が来るのだろう
- 強引に営業されないだろうか
- ちゃんと話を聞いてくれるだろうか
そこで、
- 社長
- 営業担当者
- 現場監督
- 職人
- 事務スタッフ
などをホームページに掲載します。
プロフィールに何を書くか
単なる氏名と役職だけでは、人柄までは伝わりません。次のような項目を添えると、印象が大きく変わります。
- 仕事で大切にしていること
- お客様との接し方で気をつけていること
- 得意なリフォーム分野
- この仕事を始めたきっかけ
- 資格や経験年数
- 趣味や地元とのつながり
「地元の〇〇中学校出身です」「休日は子どもと近所の公園にいます」といった一文が、地域密着型の会社では効きます。
大手企業と広告費で競争する必要はありません。
「この人たちなら安心して相談できそう」と思ってもらえること自体が、立派な差別化になります。これは地域密着型の会社だからこそできる戦い方ではないでしょうか。
なお、スタッフ写真は可能であれば撮影を依頼することをおすすめします。暗い写真や、集合写真から切り抜いたものだと、せっかくの効果が薄れてしまいます。全員分をまとめて撮影すれば、一度の依頼で済みます。
王道の施策5:SNSは施工事例を中心に運用する
「Instagramを毎日更新したほうがいいですか?」という疑問を持つ方は多いと思います。
結論から言えば、毎日更新すること自体を目的にする必要はありません。
特に専任担当者がいない会社では、SNSのためだけに毎回投稿内容を考えていると続かなくなります。そして途中で止まったアカウントは、かえって「この会社、大丈夫かな」という印象を与えてしまいます。
おすすめなのは、施工事例を中心にすることです。
たとえばホームページに施工事例を1本掲載したら、Instagramでは、
- Before / After
- 工事中の様子
- 今回のポイント
- 担当者コメント
- 使用した設備の紹介
などに分けて発信します。1つの現場から4〜5投稿は作れます。
さらに同じ素材をGoogleビジネスプロフィールの投稿機能でも活用します。
このように、1つの現場から複数のコンテンツを作るという考え方にすると、運用負担を大きく減らせます。
現実的な目標としては、月2〜4回の投稿でも十分です。頻度よりも、更新が止まっていないことのほうが大切です。
SNSは単独で考えるのではなく、WebサイトやGoogleマップを補完する媒体として活用するのが現実的です。
王道の施策6:Google広告で「今すぐ客」にアプローチする
ホームページや施工事例がある程度整ったら、Google広告も選択肢になります。
リフォームを検討しているユーザーが、
などと検索したタイミングで広告を表示できます。
つまり、すでにニーズが顕在化している人へアプローチできるのが特徴です。SEOと違って、始めたその日から表示されるという即効性もあります。
ただし注意したいことがあります。広告を出せば問い合わせが増えるとは限りません。
広告からホームページへアクセスしても、
- 施工事例が少ない
- 料金がわからない
- スタッフの顔が見えない
- 問い合わせ方法がわかりにくい
という状態では、ユーザーは離脱してしまいます。
広告費は、クリックされた時点で発生します。受け皿が整っていないまま広告を出すことは、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。
だからこそ、先に受け皿となるホームページを整え、その後広告を使うという順番が重要です。
順番を守れば、広告は「今すぐ客」を確実に拾ってくれる心強い手段になります。
王道の施策7:アクセス解析を見て毎月改善する
Webマーケティングでは、施策を実施して終わりではありません。
毎月少しずつ改善することが重要です。
とはいえ、小さな会社で高度なデータ分析をする必要はありません。まずは次の項目を見るだけでも十分です。
- どのページがよく見られているか
- どの施工事例が読まれているか
- どんな検索キーワードから訪問されているか
- どのページから問い合わせにつながっているか
- 問い合わせ件数が増えているか
Google Analytics(GA4)やGoogle Search Consoleを使えば、こうした情報を確認できます。どちらも無料で導入できます。
重要なのはデータを見ること自体ではありません。データを見て、「では来月は何を改善するのか」を決めることです。
たとえば、
- 「浴室リフォームのページへのアクセスが多い」とわかれば、そのページに施工事例を追加する。
- 「○○市からの検索が多い」とわかれば、その地域の施工事例を増やす。
- 「問い合わせページまで来ているのに送信されていない」とわかれば、入力項目を減らしてみる。
このように小さな改善を積み重ねていきます。
月に30分でも構いません。数字を見て、次の一手を決める時間を確保することが大切です。
ポータルサイト・一括見積もりサイトとどう付き合うか
ここまでは自社の集客導線を整える話でした。
一方で、リフォーム業界には避けて通れないテーマがあります。ホームプロ、リショップナビ、SUUMOリフォームといった、ポータルサイト・一括見積もりサイトとの付き合い方です。
すでに登録している会社もあれば、営業を受けて検討中という会社もあるでしょう。
メリットは「すぐに問い合わせが来ること」
ポータルサイトの最大の利点は、自社のWeb導線が整っていなくても問い合わせが発生することです。
ホームページを作り込む前でも、施工事例が少なくても、登録すれば案件が回ってきます。今すぐ受注が必要な状況では、有力な選択肢になります。
ただし、3つの構造的な課題があります
一方で、注意しておきたい点もあります。
- 相見積もり前提になりやすい
一括見積もりという性質上、多くの場合は複数社が同時に提案します。結果として、価格の競争になりやすい構造です。 - 成約ごとにコストがかかる
多くのサービスでは、成約時に手数料が発生します。1件あたりの利益は、自社経由の受注より薄くなるのが一般的です。 - 顧客が「自社の資産」になりにくい
これが最も大きな点かもしれません。ポータル経由で獲得したお客様は、「ポータルで見つけた会社」として認識されます。ホームページや口コミが積み上がっていくわけではないため、掲載をやめた瞬間に問い合わせはゼロに戻ります。
現実的な使い方は「併走」
では使わないほうがよいのかというと、そうとも限りません。
現実的なのは、ポータルを短期のエンジンとして使いながら、並行して自社の導線を育てるという考え方です。
そのうえで、次のように分けて数字を見ることをおすすめします。
- ポータル経由の件数・成約率・粗利
- 自社サイト経由の件数・成約率・粗利
この2つを分けて記録しておくと、「自社経由の比率が上がってきたら、ポータルへの依存度を下げる」という判断ができるようになります。
ポータルは便利な仕組みです。ただ、それだけに頼っている限り、集客力は自社に蓄積されません。ここは意識しておきたいところです。
よくある失敗パターン7選



ここまで施策を見てきましたが、実際には途中でつまずくケースも少なくありません。よくある失敗を7つ整理しておきます。
失敗1:ホームページをリニューアルしただけで満足してしまう
数百万円かけてサイトを新しくしたが、問い合わせは以前とほとんど変わらない、というケースです。
リニューアルは「見た目が新しくなった」だけでは効果が出ません。施工事例が増えていく仕組み、費用の目安、スタッフ紹介といった中身が伴って初めて機能します。
制作会社に依頼する時点で、公開後に自社で何をどう更新していくかまで決めておきたいところです。
失敗2:施工事例が「完成写真1枚」で終わっている
施工事例ページはあるが、写真が1〜2枚あるだけで費用も工期も書かれていない状態です。
これでは検討者が自分の状況と重ね合わせられず、ページ数だけ増えても成果にはつながりません。数を増やす前に、まず1本を「これ以上ないくらい詳しく」書いてみてください。型ができれば以降は早くなります。
失敗3:「何でもお任せください」で専門性が伝わらない
サービスページが1枚だけで、すべての工事が羅列されているパターンです。
幅広く対応できることは強みですが、検索する人は「浴室リフォーム」など具体的な悩みで探しています。1枚のページでは、その検索に引っかかりません。
まずは問い合わせの多い上位3つのサービスだけでもページを分けてみてください。
失敗4:料金をまったく載せていない
「詳しくはお問い合わせください」しか書かれていない状態です。
検討者の不安の1位が「費用がかかる」、4位が「相場がわからない」であることを考えると、これは大きな機会損失です。金額が見えない会社は、そもそも候補から外れてしまいます。
幅でよいので目安を出す、施工事例に実際の費用を添える、といった対応が有効です。
失敗5:受け皿が整う前に広告を出してしまう
広告代理店に勧められて出稿したが、クリックはあるのに問い合わせがない、というケースです。
広告はアクセスを連れてくるだけで、その先で信頼してもらえなければ費用だけが出ていきます。施工事例・スタッフ紹介・料金目安。この3つが揃ってから出稿するのが安全です。
失敗6:SNSを毎日更新することが目的化している
ネタを考えるのに疲れ、3か月で更新が止まってしまう。
止まったアカウントは、更新していないこと自体がマイナスに働きます。施工事例からの派生投稿に絞り、月2〜4回のペースに設定し直しましょう。
失敗7:効果測定をせず「なんとなく」続けている
何が効いているのかわからないまま、複数の施策を続けている状態です。
これが一番もったいないかもしれません。うまくいっている施策を伸ばすことも、効いていない施策をやめることもできないからです。GA4とSearch Consoleを導入し、月に一度だけでも数字を見る時間を作ってみてください。
失敗の多くは「順番」の問題
7つ並べてみると、共通点が見えてきます。
施策そのものが間違っているわけではないのです。やる順番が違っている、あるいはやりっぱなしになっているというケースがほとんどです。
だからこそ、次に考えたいのが優先順位です。
この会社なら、何から始めるべきか
今回想定したリフォーム会社の場合、いきなりすべての施策を始める必要はありません。
優先順位をつけるなら、たとえば次の順番です。
- Googleビジネスプロフィールを整える
- ホームページのサービスページを整理する(費用の目安を含める)
- スタッフ紹介を充実させる
- 施工事例を継続的に追加する
- お客様から口コミを集める仕組みを作る
- 施工事例をSNSへ展開する
- GA4・Search Consoleで効果を確認する
- Google広告を検討する
なぜこの順番なのか
順番そのものより大切なのは、判断の基準です。優先順位を考えるときは、次の3つの軸で見てみてください。
軸1:お金がかからず、すぐ着手できるか
Googleビジネスプロフィールの整備は無料で、今日からでも始められます。一方、広告は出した瞬間から費用が発生します。まずは費用のかからないものから着手するのが自然です。
軸2:一度作れば効き続けるか(ストック型か、フロー型か)
施工事例やスタッフ紹介は、一度作れば残り続けて働いてくれます。これがストック型です。一方、SNSの投稿や広告は、止めれば効果も止まります。こちらはフロー型です。限られた時間をどちらに使うべきかと言えば、まずはストック型でしょう。
軸3:自社だけで運用を続けられるか
どれほど良い施策でも、続かなければ意味がありません。「誰が」「いつ」「どれくらいの時間で」やるのかを決められるものから始めます。社内で回せない部分は、外部に任せるという判断も必要です。
この3つの軸で見ると、「流行っているから」ではなく「自社にとって効果が出やすいか」で選べるようになります。
大切なのは、話題の施策から始めることではありません。自社にとって効果が出やすいところから、順番に改善していくことです。
Webマーケティングは「点」ではなく「流れ」で考える
ここまでの内容を整理すると、リフォーム会社のWebマーケティングは次のような流れになります。
Google検索・Googleマップ・広告・SNS
↓
ホームページ
↓
サービスページ・施工事例・口コミ・スタッフ紹介
↓
問い合わせ
↓
現地調査・見積もり
↓
契約
↓
施工事例・口コミ
↓
次のお客様へ
注目したいのは、最後が最初に戻っている点です。施工した現場が、次のお客様を獲得するためのコンテンツになります。施工事例や口コミが増えるほど、ホームページの情報量や信頼性も高まっていきます。
つまりWebマーケティングが、少しずつ「資産」になっていくということです。
掲載費や広告費は、支払いをやめれば効果もなくなります。しかし施工事例や口コミは、積み上がったまま残り続けます。同じ費用と時間をかけるなら、資産になるほうへ寄せていきたいところです。
Web担当者がいない会社ほど「何をやらないか」を決める
中小企業のWebマーケティングでよくある失敗が、
- SEOもやる
- Instagramもやる
- YouTubeも始める
- 広告も出す
と施策を増やしすぎることです。人員や時間が限られている会社ほど、結果的にすべて中途半端になります。
重要なのは、施策を増やすことではありません。今の会社にとって何が一番重要なのかを判断し、優先順位を決めることです。
そしてWeb担当者がいない会社の場合、この「判断する役割」が不在になりがちです。
ホームページ制作会社はサイトを作ってくれます。広告代理店は広告を運用してくれます。SNS運用会社はSNSを更新してくれます。それぞれの会社は自社の担当領域について提案します。
そして「今、自社は何を優先するべきなのか」を横断的に考える人がいないケースは珍しくありません。
結果として、それぞれの提案を受け入れているうちに施策だけが増え、全体としては噛み合っていない、という状態になりがちです。
まとめ
リフォーム会社のWebマーケティングで重要なのは、最新の施策を次々に取り入れることではありません。
まずは、
見つけてもらう
↓
信頼してもらう
↓
問い合わせてもらう
という基本の流れを整えることです。
そのためには、
- Googleビジネスプロフィール
- ホームページ
- 施工事例
- 費用の目安
- 保証・アフターサービスの説明
- スタッフ紹介
- 口コミ
- SNS
- Web広告
- アクセス解析
をバラバラに考えるのではなく、1つの集客導線として設計する必要があります。
そして忘れたくないのが、お客様が最も重視しているのは「担当者の対応・人柄」で、その傾向は地元密着の会社を選んだ人ほど強いという事実です。
地域密着型の会社にとって、これは大手と戦うための最大の武器になります。広告費では勝てなくても、「この人たちなら安心できそう」と思ってもらうことなら十分に可能だからです。
専任のWeb担当者がいない会社ほど、全部を一度にやろうとせず、「今月は何を優先するのか」を決めながら進めることが大切です。
iBoundでは、Web担当者がいない中小企業に向けて、Webサイトやアクセス解析の状況を確認しながら、課題整理、施策の優先順位付け、改善提案などを行っています。専門用語をできるだけ使わずに、「次に何をやればよいか」が明確になる状態を目指しています。
- Web集客を強化したいが、何から始めればいいかわからない
- 制作会社や広告会社に依頼する前に、一度全体を整理したい
そんな状況でしたら、まずは現在のWeb活用状況を整理するところから、一緒に始めてみませんか。


